最近、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを使ってプログラミングを行うのが当たり前の時代になってきました。
これはSOLIDWORKSのマクロ作成においても例外ではありません。
AIを活用すれば、自分の欲しいマクロを簡単に作成することができます。
プログラミングの知識がなくても、マクロのハードルが大きく下がるのは非常に嬉しいポイントです。
ですが、AIを使ったマクロ開発には、落とし穴や注意すべき点もあります。
これらを知らずにAIを使っていると、いつまでたってもマクロが完成しないなんてことにもなりかねません。
今回は、生成AIを使ってSOLIDWORKSマクロを作成する際に、失敗しないためのポイントについて解説します。
- 「毎日の単純なモデル処理や図面化作業をもっと自動化したい」
- 「マクロ作成に挑戦したいけど、プログラミングの知識がない」
- 「AIにマクロを書かせてみたけど、エラーばかりで全然動かない」
これらに当てはまる方は、ぜひ最後までお読みください。
1. いきなりコードを書かせず、まずは「仕様」をAIとすり合わせる
「〇〇をするマクロを書いて」といきなりAIにコードを要求するのは、実は失敗のもとです。
AIがこちらの意図を勘違いしたまま、見当違いなコードを書いてしまうことがあるからです。
マクロ作成を成功させる秘訣は、コードを書かせる前にAIとマクロの仕様をすり合わせることです。
参考までに、私が普段から使っている「仕様固め専用プロンプト」をご紹介します。
ぜひ、以下の文章をそのままコピー&ペーストして、AIに投げかけてみてください。
おすすめのプロンプト(そのままコピペOK!)
SOLIDWORKSのマクロを作成するにあたって、指示する機能を盛り込みたいです。マクロ作成にあたり、いきなりコードを書くことはしないでください。コードを書く前に仕様を固めたいです。仕様を固めるにあたって、情報が必要であれば、質問してください。仕様の未確定な箇所がなくなった段階で、コードを作成してください。
このプロンプトを使うと、AIの方から「対象の部品は手動で選択しますか?」「保存先のフォルダはどこにしますか?」といった的確な質問を返してくれます。
提案された手順を見て日本語で修正を加え、お互いの認識がピッタリ合ったところで初めてコードを作成してもらう。この「ワンクッション」を挟むだけで、やりたいことが格段に実現しやすくなります。

いきなり「コード書いて!」と言いたくなる気持ち、すごく分かります。
でも、急がば回れ。最初に「やりたいこと」を言葉ですり合わせておくと、後々の手戻りが減って、結果的に早く完成します。
2. 「一発で完璧なコード」は期待しない。エラー内容を伝えて対話で仕上げる
昨今のAIは非常に優秀ですが、最初から完璧に動くマクロを出力してくれることはほとんどありません。
AIが出してくるコードは「完成品」ではなく、「優秀なたたき台」と捉えるのがいいです。
マクロを実行してエラーが出ても、それは「失敗」ではなく完成に近づくためのプロセスの一部です。
焦らず、エラーの原因を一緒に探してもらい、修正していけばいいです。
このとき、エラーメッセージだけを貼り付けても、AIは的確な修正ができません。
「この行で黄色くハイライトされて止まった」といった状況や、何をして何が起きたかなども合わせてAIに伝えましょう。
情報が揃えば、AIも状況を正確に把握でき、修正の精度がグッと上がります。

私も、最初は「AIに聞いたのに動かない!」とイライラしてました、、、最近は、そんなもんだと割り切って、何度も修正してもらって完成させています。
3. ハルシネーションに警戒し、公式の「APIヘルプ」で裏付けをとる
SOLIDWORKS APIは非常に独特で、バージョンごとの違いも複雑です。
そのため、AIは時折以下のような「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を起こします。
- 実在しないそれっぽい名前のメソッド(命令)をでっち上げる
- ExcelのVBAや他の3D CAD(AutoCADやInventorなど)の構文を混同する
AIが提案してきたコードに対して、何度修正してもエラーが出る。
そんなときは、「SOLIDWORKS APIの公式ドキュメントを参照してください」と一言添えて、依頼し直してみましょう。
この一言があるだけで、AIの回答の精度が上がります。
また、AIに頼りきるのではなく、自分でも確認することが大切です。
公式ヘルプ(SOLIDWORKS API Help)を確認することで、ハルシネーションに振り回されないようになります。
「AIが書いたコードの構造は借りる。でも、正確な引数や設定値は公式ドキュメントで確認する」。
このハイブリッドな使い方ができるようになると、マクロ開発のスピードは格段に上がります。

もっともらしいウソをついてくるので、最初のうちは全く見抜けませんでした(泣)
全然エラーが解消しないときは、一度公式ヘルプを覗く癖をつけておくと安心です。
4. 小さな機能から順番に作ってテストする
いきなり「アセンブリ内の部品を全て判別して、それぞれ図面化してPDFとDXFで保存するマクロ」みたいな大きな指示を出すのはおすすめしません。
機能が多いと、コードが長くなります。
コードが長いと、途中でエラーが出た際に、どこが間違っているのか分からなくなってしまうからです。
まずは「選択した部品の名前をメッセージボックスに表示するだけ」といったごく小さなステップから始めましょう。
それが正常に動くことを確認してから次の機能を追加する、という手順を踏むのが着実にマクロを完成させるコツです。

大きな塊のままAIに投げると、直したつもりが別の場所を壊していた、なんてことがよく起きます。
小さく作って動かして確認、の繰り返しの方が結局は早いです。
5. 実行前に必ず「バックアップ」を取る
マクロの処理は基本的に「元に戻す(Undo)」ができません。
AIが書いた未知のコードを実行した結果、大切な設計データの中身が意図せず一斉に書き換わってしまったり、ファイルが上書き保存されてしまったりするリスクが常にあります。
マクロのテスト実行時は、必ずバックアップを取るか、壊れてもいいテスト用のダミーファイルを使用してください。

私も一度、作業中のファイルがうっかり削除されてしまったことがあります、、、
みなさまもご注意ください。
6. うまくいかない時は、別の方法・手順を提案してもらう
同じアプローチで修正を繰り返していても、堂々巡りになることがあります。
エラーを直したつもりが、別のエラーを生む。それを直したら、また元のエラーに戻る……。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、修正を続けるのをやめましょう。
「違う方法で実現できないか」と、すこし聞き方を変えてみます。
SOLIDWORKS APIには、同じ処理を実現する別の手段があったりします。
別のメソッドや、別の処理順序でやってみると、それまで詰まっていた壁を回避できることがあります。

行き詰ったら「アプローチを変える」という発想の転換の方が、案外あっさり解決したりします。
粘るところと、切り替えるところの見極めが大事ですね。
7. 【教訓】なんでもAIに頼りすぎない。手綱を握るのは人間の仕事
AIは圧倒的なスピードでコードを生成してくれますが、すべてをAIに丸投げしてしまうのは危険です。
マクロ作成の核となる部分は、依然として人間の役割です。
- 「日々の業務のどこを自動化すれば便利になるか」という気づきを得ること。
- AIに対して「こういう条件で、こんな手順で処理してほしい」と指示(プロンプト)を出すこと。
- 生成されたコードや最終的な成果物が「設計意図を満たしているか、安全に動くか」を判断すること。
これらは決してAIには代われない、私たちの仕事です。
あくまで人間が主体となり、AIという優秀な道具をコントロールする姿勢を忘れないようにしましょう。

AIがコードを書いてくれる時代だからこそ、「何を作るか」を考えることが大事だと感じます。
AIを良き相棒にして、新しいモノづくりの時間を生み出そう
生成AIは、エラー画面と睨めっこする時間を減らし、皆さんのアイデアを素早く形にしてくれる強力なツールです。
今回ご紹介したポイントを意識すれば、マクロ開発の挫折は劇的に減るはずです。
マクロでルーティン業務を自動化して浮いた時間は、より高度で創造的な設計作業にあてたり、新しい創作活動に挑戦したりと、有効活用できます。
「とはいえ、ゼロからAIにお願いするのはまだ少し不安…」
「まずは実際に動くコードを見て、どんなことができるのか研究したい」
そんな方は、当ブログで無料公開しているSOLIDWORKSマクロをぜひご活用ください!
日々の作業をちょっとラクにする便利なツールを多数配布しています。

既存のマクロを動かしてみて、中身のコードをAIに解説してもらったり、「自分の環境に合わせてここを改造して」と指示を出してみたりするのも、効率の良いマクロ学習法だと思います。
ぜひ以下のリンクからお気に入りのツールを見つけて、ご自身だけの自動化の第一歩を踏み出してみてください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。










