「eDrawingsって聞いたことはあるけど、結局何ができるの?」
「SOLIDWORKSを持っていない自分でも、本当に無料で3Dデータを見られるの?」
そんな風に思っていませんか?
eDrawingsは、SOLIDWORKSで作成した3Dモデルや図面を無料で閲覧できるビューワーアプリです。
SOLIDWORKSのライセンスがなくても、誰でもダウンロードしてすぐに使い始められます。
この記事では、eDrawingsの基本情報から無料版でできること・できないこと、インストール手順、基本操作、ファイルが開けないときの対処法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
組立・製造、検査、営業など、設計者以外の立場でSOLIDWORKSデータを確認する機会がある方にも役立つ内容です。
結論:eDrawings無料版でここまでできます
eDrawings無料版(Viewer)では、以下のことができます。
- SOLIDWORKSファイル(.SLDPRT/.SLDASM/.SLDDRW)やeDrawings専用ファイル(.eDRW/.ePRT/.eASM)、DWG/DXFの閲覧
- 3Dモデルの回転・移動・拡大縮小
- 組立モデルのアニメーション再生
一方で、断面表示・計測・マークアップ(書き込み)・STEPやIGESなどの中間ファイル閲覧といった機能は、無料版には含まれません。
これらを使うには、有償のeDrawings Professional版が必要です。
まずは無料版でどこまで自分の用途がカバーできるかを確認し、必要に応じてProfessional版の導入を検討するのがおすすめです。
詳しい違いは、次の比較表で解説します。
eDrawingsとは?設計者以外にこそ知ってほしい「無料の3Dビューワー」
eDrawingsは、SOLIDWORKSで作った3Dモデルや図面を見ることができる無料のビューワーアプリです。
SOLIDWORKSを持っていない人でも、自由に開いて確認できます。
「設計者じゃない」あなたにeDrawingsが役立つ理由
現場で働く方こそ、設計データを直接見られることで多くのメリットがあります。
| 現場の役割 | eDrawingsが解決してくれること |
|---|---|
| 組立・製造 | 紙の図面では想像しにくい部品の重なりや組み付け順序を3Dモデルで確認。組み付けミスを減らせる |
| 検査・品質管理 | 3Dモデル上で寸法を計測(Professional版)。設計図と現物の比較がしやすくなる |
| 営業・顧客対応 | タブレットでその場で製品の3Dモデルを見せられ、製品の魅力を直感的に伝えられる |

「図面だけだと現物のイメージが湧かない」という声、営業さんや検査の方からよく聞きます。3Dでグリグリ動かせるだけで、伝わり方がまったく変わりますよ。
どんなファイルが見られるの?
eDrawingsで開けるファイル形式(無料版)は以下の通りです。
- SOLIDWORKSファイル(.SLDPRT、.SLDASM、.SLDDRW)
- 2次元CADファイル(.DWG、.DXF)
- eDrawings専用ファイル(.eDRW、.ePRT、.eASM)
eDrawings専用ファイルはデータが軽く、メール送信やスマホでもスムーズに動作します。
【比較表】無料版・Professional版・モバイル版でできることの違い
eDrawingsには「無料版(Viewer)」「有償のProfessional版」「モバイル版(スマホ・タブレット)」の3つがあり、使える機能が異なります。
導入前に必ず確認しておきたいポイントです。
| 機能 | 無料版(Viewer) | Professional版 | モバイル版 |
|---|---|---|---|
| 3Dモデルの回転・移動・ズーム | ○ | ○ | ○(有料アプリ) |
| アニメーション再生 | ○ | ○ | ○ |
| 断面表示 | × | ○ | ○(アプリ内課金が必要な場合あり) |
| 計測機能 | × | ○ | ○(アプリ内課金が必要な場合あり) |
| マークアップ(書き込み) | × | ○ | ○(アプリ内課金が必要な場合あり) |
| HTML形式での書き出し | × | ○ | – |
| STEP/IGESなど中間ファイルの閲覧 | × | ○ | × |
| AR(拡張現実)表示 | -(PC非対応) | -(PC非対応) | ○ |
| 料金 | 無料 | 有償 | 有料アプリ(価格は変動する場合があるため、最新はApp Store/Google Playでご確認ください) |
断面表示・計測・マークアップは、PC版・モバイル版ともにProfessional版(またはアプリ内課金)が必要な機能です。
「無料版だけで自分の用途は足りるか」を、この表でひと通りチェックしておくと安心です。

私の周りだと、組立・検査・営業の方は無料版だけで十分事足りているケースがほとんどです。断面表示や計測が「どうしても」必要になったときに、初めてProfessional版を検討すれば大丈夫です。
eDrawingsのインストール手順
パソコン(Windows/Mac)へのインストール手順
ステップ1:公式サイトへアクセス
SOLIDWORKS無料ダウンロードページにアクセスします。
URL: https://www.solidworks.com/support/free-downloads
ステップ2:アプリをダウンロード
ダウンロードページから、eDrawingsの左側にある矢印ボタンをクリックします。
合意確認画面で内容を確認したうえで「同意してダウンロード」ボタンをクリックすると、ダウンロードが始まります。
ステップ3:インストーラーを起動
ダウンロードしたファイルを開き、インストーラーを起動します。
基本的には画面の指示に従って「次へ」や「同意する」をクリックしていくだけで、特に難しい設定はありません。
ステップ4:eDrawingsを起動
インストール完了後、デスクトップやスタートメニューにeDrawingsのアイコンが表示されます。
アイコンをクリックして起動すれば準備完了です。
なお、eDrawingsを快適に動かすにはパソコン本体のスペックも重要です。
動作が重い、フリーズするといった場合は、SOLIDWORKS推奨スペックのPC選びも合わせてチェックしておくと安心です。
スマホ・タブレット(iOS/Android)へのインストール手順
PC版と異なり、モバイル版のインストールは有料です。
基本版に加えて、断面表示・計測・マークアップなどの機能を使うにはアプリ内課金でのアップグレードが必要になる場合があります。
※価格は変動する場合があるため、最新の金額は必ずApp Store/Google Playでご確認ください。
- アプリストアを開く:iPhone/iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playストア
- 検索窓に「eDrawings」と入力して検索する
- 「入手」または「インストール」ボタンをタップする
起動してファイルを開いてみよう
eDrawingsを起動したら、設計者から送られてきたeDrawingsファイル(.eDRWや.ePRTなど)をダブルクリックするか、アプリの「ファイルを開く」メニューから選択するだけで3Dモデルが表示されます。
SOLIDWORKSのネイティブファイル(.SLDPRTなど)もそのままeDrawingsで開けます。
【設計者以外向け】eDrawings導入のメリット
メリット1:組立・製造現場の「勘違い」を減らせる
3Dで確認できるからミスが減る
3Dモデルを好きな角度から拡大して見られます。
部品の重なり具合やボルト穴の位置関係も一目瞭然で、「この部品はどっち向きに付くのか」という疑問もその場で解決でき、組み付けミスを減らせます。
断面表示で内部構造も確認できる(Professional版)
「断面」機能を使えば、モデルを切断して普段見えない内部の構造まで確認できます。
配線やパイプの取り回しなど、紙の図面では想像するしかなかった部分も正確に把握できます。
メリット2:設計部門とのコミュニケーションがスムーズになる
「ここ」を正確に伝えられる(Professional版)
eDrawingsには「マークアップ(書き込み)」機能があります。
「この穴の径が図面と違う気がする」「この部分で部品同士が干渉して組み付かない」といった疑問を、3Dモデルの該当箇所に直接書き込んで設計者に送り返せます。
電話やメールでの詳細な説明が不要になる
マークアップされた3Dモデルを見れば、設計者もすぐに問題箇所を特定でき、手戻りを減らせます。

「言った・言わない」のすれ違い、地味にストレスですよね。3Dモデルに直接書き込んでもらえると、こちらも一発で状況が把握できて本当に助かります。
メリット3:重い資料や試作品を持ち運ぶ必要がなくなる
スマホやタブレットが「動くカタログ」になる
モバイルアプリを使えば、重い試作品や分厚いカタログを持たなくても、タブレット1つで製品の3Dモデルを顧客に見せられます。
顧客の目の前でモデルを回転させたり分解したりして見せれば、製品の魅力が伝わりやすくなります。
データが軽いから共有も簡単
eDrawings形式のファイルは、元のSOLIDWORKSファイルに比べてデータサイズが軽いのが特徴です。
メール添付やクラウド共有も簡単に行えます。
メリット4:AR(拡張現実)機能で設置イメージをその場で確認(モバイル版)
スマホやタブレットのカメラを通して、実際の空間に3Dモデルを重ねて表示できます。
たとえば、製造ラインに新しい治具を導入する際、「この治具をここに置いたら作業スペースはどれくらい残るか」といった設置イメージを、その場で確認できます。
eDrawingsの基本的な使い方
基本操作1:3Dモデルを自由自在に動かす
| 操作 | やり方 | 現場での活用シーン |
|---|---|---|
| 回転(オービット) | マウスの左ボタンを押しながらドラッグ | 部品の裏側や特定の角度からの干渉チェック |
| 移動(パン) | マウスの右ボタンを押しながらドラッグ | 画面からはみ出した部分を中央に移動 |
| 拡大・縮小(ズーム) | マウスのホイールを回す | 細かい穴やフィレット部分の形状確認 |
スマホやタブレットの場合は、指1本で回転、2本指で移動、2本指のピンチ操作で拡大・縮小ができます。
基本操作2:断面を表示して内部構造をチェック(Professional版のみ)
- 画面上部のツールバーにある「断面」ボタン(カッターナイフのようなアイコン)をクリック
- 断面を表示したい面(たとえばモデルの側面)をクリック
- 表示された矢印をドラッグして、断面の位置を調整する
断面表示の活用シーンとしては、以下のようなものがあります。
- 配線・配管のルート確認:筐体内部のケーブルやパイプが他の部品と干渉していないか確認できる
- 溶接箇所の確認:溶接や接着で隠れてしまう部分の形状を事前に確認できる
基本操作3:計測機能で寸法を測る(Professional版のみ)
- ツールバーの「計測」ボタン(定規のようなアイコン)をクリック
- 測りたい点や線、面を順番にクリックする
- 画面の隅に、クリックした要素間の距離や角度、面積などが表示される
注:断面表示、計測機能、マークアップ機能はProfessional版の機能です。スマホ/タブレットでこれらを使用したい場合は、アプリ内課金でのアップグレードが必要です。
基本操作4:アニメーションで動きを確認する
画面下部にある「再生」ボタン(▶アイコン)をクリックすると、モデルが自動的に分解されたり、設計された通りに動いたりする様子を確認できます。
アニメーションの活用シーンとしては、以下のようなものがあります。
- 組立手順の予習:複雑な機械の組立前に、分解アニメーションを見て手順を頭に入れられる
- 製品の動作原理の理解:営業担当者が、製品の動きを顧客に説明する際に有効
【応用】マークアップで設計者にフィードバックを送る方法(Professional版)
設計について問い合わせたいときは、eDrawingsの「マークアップ機能」を使い、3Dモデルに直接疑問を書き込んで設計者に送り返せます。
マークアップ機能の具体的な使い方
ステップ1:マークアップモードに入る
ツールバーにある「マークアップ」ボタン(ペンのアイコン)をクリックすると、画面の右側などに「フリーハンド」「テキスト」「寸法」などのマークアップツールが表示されます。
ステップ2:問題箇所を指摘する
| ツール | 使い方 | 活用シーン |
|---|---|---|
| フリーハンド | マウスで線を引き、問題の箇所を赤丸で囲むなど目立たせる | 「この角のR(アール)が足りない気がする」など直感的な指摘 |
| テキスト | 3Dモデル上の任意の場所をクリックし、コメントを入力する | 「この穴の公差を確認してください」など具体的な指示 |
| 寸法 | 測りたい点や線をクリックし、寸法を書き込む | 「この距離が図面と違う」など寸法に関する疑問 |
ステップ3:ビューを保存する
マークアップツールバーにある「ビューの追加」ボタンをクリックすると、書き込んだマークアップと、そのときの3Dモデルの角度がセットで保存されます。
重要:マークアップはモデルの角度を変えると見えなくなることがあります。必ず、指摘が一番分かりやすい角度でビューを保存してください。
ステップ4:設計者にファイルを送り返す
- ファイル>「名前を付けて保存」を選ぶ
- ファイル形式は、eDrawingsファイル(.eDRWなど)のまま保存する
- 保存したファイルを、設計者にメールなどで送り返せば完了
設計者は、受け取ったeDrawingsファイルを開き、保存されたビューをクリックするだけでマークアップを確認できます。
ファイルが開けないときの対処法
eDrawingsは多くのファイル形式に対応していますが、「ファイルが開けない」というトラブルが起こることもあります。
よくある原因と対処法を整理しました。
| トラブルの原因 | 対処法 |
|---|---|
| STEP(.stp/.step)やIGES(.igs/.iges)などの中間フォーマットを開こうとしている | これらの中間ファイルは無料版のeDrawings Viewerでは開けません。閲覧するにはeDrawings Professional版が必要です。設計者にSOLIDWORKSネイティブファイルか、eDrawings専用ファイルで送ってもらう方法もあります |
| ファイル形式がそもそも非対応 | eDrawingsはすべてのCADファイルに対応しているわけではありません。設計者に、SOLIDWORKSファイルかeDrawings専用ファイル(.eDRWなど)で送ってもらうようお願いしましょう |
| eDrawingsのバージョンが古い | 設計者が最新版のeDrawingsでファイルを作成した場合、手元のeDrawingsのバージョンが古いと開けないことがあります。「ファイルが開けない」と言われたら、まずはeDrawingsを最新版にアップデートしてみてください |
無料版で「開けない」と感じたときは、まずファイル形式が対応範囲内かどうかを確認し、STEP/IGES等の中間ファイルであればProfessional版の利用を検討してください。

「開けない!」と焦って連絡が来ることがよくありますが、大体は中間ファイル形式が原因です。まずは慌てず、この表を見ながら原因を切り分けてみてください。
eDrawingsをより活用するための応用機能
応用機能1:AR(拡張現実)機能で現場にモデルを表示する(モバイル版限定)
- モバイル版eDrawingsで3Dモデルを開く
- 画面下部にある「AR」ボタンをタップする
- カメラが起動し、現実の空間(作業台や設置場所など)を認識させる
- 目の前の空間に、開いている3Dモデルが実物大で表示される
AR機能の活用シーンとしては、以下のようなものがあります。
- 設置シミュレーション:新しい機械や治具を導入する前に、「ここに置いたら邪魔にならないか」を実際にその場で確認できる
- サイズ感の確認:顧客に製品のサイズ感を伝える際、カタログや図面よりも正確でインパクトのある説明ができる
応用機能2:HTML形式で誰にでも簡単に共有する(Professional版)
eDrawingsアプリを持っていない人にも3Dモデルを見てもらいたい場合は、HTML形式で出力してもらう方法があります。
- 設計者にお願いする:eDrawings Professional版を使っている設計者であれば、3DモデルをWebブラウザで開けるHTMLファイルとして出力できる
- 受け取った側はアプリ不要:特別なアプリをインストールすることなく、ChromeやEdgeなどのWebブラウザで3Dモデルを回転させたり拡大したりして見られる
HTML形式出力の活用シーンとしては、社外の協力会社との共有(セキュリティ上の理由でアプリのインストールが難しい会社にも、手軽に3D情報を提供できる)や、資料への埋め込み(報告書やマニュアルに3Dモデルへのリンクを貼ることで、分かりやすい資料が作れる)などが挙げられます。
作成方法は、ファイル>名前を付けて保存で、ファイルの種類をHTMLにするだけです。
eDrawingsを使う上での注意点
eDrawingsは、あくまで「ビューワー(見るためのソフト)」です。
モデルの形状を変えることはできませんし、寸法を書き換えたり、部品を削除したりすることもできません。
「この部分の設計を変えてほしい」という要望があれば、マークアップ機能を使って指摘を書き込み、必ず設計者にフィードバックしてください。

たまに「eDrawingsで直接直しておいて」と言われることがあるのですが、それはできない相談です(笑)。あくまで「見る・伝える」ためのツールだと覚えておいてください。
まとめ
eDrawingsについて、無料版でできること、インストール方法、基本操作、ファイルが開けないときの対処法まで解説しました。
eDrawingsは単なる「無料のビューワー」ではありません。
「設計データが読めない」という悩みを解消し、設計者と現場の間の壁を取り払ってくれる便利なツールです。
- 組立現場では:3Dモデルで組み付け手順を確認することで、組立ミスを減らし作業時間を短縮できる
- 営業現場では:タブレットで3Dモデルを見せることで、顧客への説明が分かりやすくなる
- どの部門でも:マークアップ機能(Professional版)を使って正確にフィードバックすることで、設計者の手間やミスが減り、製品開発のスピードが上がる
次のアクション
- まずは無料版をインストールする
- 設計者に「eDrawingsファイル」をリクエストする
- 無料版でどこまで使えるか試し、必要ならProfessional版を検討する
eDrawingsを使いこなして、現場の「困った」を「できた」に変えていきましょう。
Sugitama-Lab.では、SOLIDWORKSの作業を効率化する無料マクロも配布しています。
設計業務の時短に興味がある方は、ぜひマクロ配布一覧ページもあわせてチェックしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「うちの現場ではこう使ってる」といった活用例があれば、ぜひコメントで教えてください。楽しみにしています。










現場から「このデータ、開けないんですけど…」と何度聞かれたかわかりません。そのたびに紹介しているのがeDrawingsです。この記事さえ読んでもらえれば、もう聞かれずに済みそうです(笑)