SOLIDWORKSのクラウド型ライセンスである「SOLIDWORKS Connected」。
3DEXPERIENCE連携により、最新の設計環境で、チームとのコラボレーションが可能です。
ですが、SOLIDWORKS Connectedを使用するのに、基本的にはインターネット接続が必須となっています。
では、インターネット接続が不安定な場所や、セキュリティ上の理由で接続が許可されない環境では使用できないのでしょうか?
実は、SOLIDWORKS Connectedには、一定期間であればインターネット接続なしで使用できる【オフラインモード】というものがあります。
本記事では、SOLIDWORKS Connectedでインターネット接続なしで使用できるオフラインモードの機能、設定方法、そして最も重要な注意点について詳しく解説します。
通信できない環境でも使用したいという方や、3DEXPERIENCEへの毎回のログインが煩わしい方はぜひお試しください。
もくじ
SOLIDWORKS Connectedのオフラインモードとは?
オフラインモードは、インターネットに接続しなくてもSOLIDWORKS Connectedを利用できる機能です。
通常、SOLIDWORKS Connectedでは、3DEXPERIENCEプラットフォームにアクセスしてライセンス認証しないと、利用することはできません。
SOLIDWORKS Connectedはクラウドにつながっていることで、データ共有やチームでのコラボレーションが簡単にでき、設計を効率的に進められることが大きなメリットとなっています。
ですので、SOLIDWORKS Connectedでは基本的にはインターネットに接続して使用します。
しかし、状況によっては、一次的にでも通信環境のない場所で作業したり、通信機器が使えない場所で作業したりと、オフライン環境でも使用したい場面もあるかと思います。
通信できない場面であっても、SOLIDWORKS Connectedを【オフラインモード】に設定することで、SOLIDWORKSを使用することができます。

オフラインモードを活用すれば、通信環境に依らずに作業を進めることができます。特に出張やノマドワークなどで活躍しそうな機能ですね。
オフラインモードの設定手順
SOLIDWORKS Connectedのオフラインモード設定の流れを解説します。
1. 必要なデータの準備
オフラインモードを有効にすると、SOLIDWORKSから3DEXPERIENCEのクラウドデータにアクセスできなくなります。
オフラインモードに入る前に、作業に必要なデータをローカルに保存しておきましょう。
ローカルに保存されたファイルであれば、オフラインモード中でも編集が可能です。
また、オフライン中に他のユーザーが同じファイルを変更するのを防ぐため、作業する予定のファイルは、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で事前にロック(予約)しておくことをオススメします。
2. オフラインモードの有効化
インターネットに接続した状態で、以下の手順でオフラインモードを有効化します。
手順は以下の通りです。
① 3DEXPERIENCEにログインし、SOLIDWORKS Connectedを起動する。
② 画面右上の「アカウント」アイコン(アイコン画像もしくはユーザー名が表示されている部分)をクリックする。

③ ドロップダウンメニューから「オフライン作業」を選択する。

④ 確認画面が表示されたら、オフラインで使用する日数を入力し、「OK」をクリックする。


画像はライセンス更新直前でしたので、最長19日間となっています。
通常であれば、最長30日間までオフラインモードで使用可能です。
以上の手順でオフラインモードに切り替えることができます。
3. オフラインモードでの作業
オフラインモードが有効になると、画面右上に「オフライン」のステータスが表示されます。
この状態になれば、インターネット接続無しでも通常通りSOLIDWORKSを使用可能となります。
また、オフラインモード設定中は、SOLIDWORKS起動時に「オフラインモード」の有効期限を表示してくれます。
4. オンラインモードへの復帰
インターネット接続環境に戻ったら、【オンラインモード】に戻しておきましょう。
手順は以下の通りです。
① インターネット接続を再開する。
② 再び「アカウント」アイコンをクリックし、「オフライン作業」を選択する。

③ 確認画面が表示されたら、「はい」をクリックする。

④ オフライン中に行った変更がクラウドと同期される。
【重要】オフラインモードの注意点と制限事項
オフラインモードは非常に便利ですが、以下の制限事項と注意点を理解しておくことが重要です。
| 制限事項 | 詳細 |
|---|---|
| 最大30日間の有効期限 | オフラインモードは最大30日間連続で利用可能です。 この期間を過ぎると、自動的にオンラインモードに戻るための再接続が試行されます。 長期間のオフライン作業が必要な場合は、30日以内に一度オンラインに戻る必要があります。 |
| 3DEXPERIENCE機能の停止 | 3DEXPERIENCEプラットフォームへのアクセスが必要な機能(クラウドへの保存、データ管理、コラボレーション機能など)は使用できません。 |
| ライセンスのローカルキャッシュ | オフラインモード中は、ライセンスがローカルPCにキャッシュされます。この間、他のPCで同じライセンスを使用することはできません。 |
| ファイルロックの推奨 | オフラインモードで作業するファイルは、他のユーザーによる変更を防ぐため、事前にプラットフォーム上でロック(予約)しておくことを推奨しています。 |
| 仮想環境での非サポート | 仮想マシンやパラレル環境では、オフラインモードはサポートされていません。 |
特に「最大30日間の有効期間」は、オフラインモードを利用する上で最も重要な制限事項です。この期間を念頭に置いて作業計画を立てるようにしましょう。
オフラインモードの活用シーン
オフラインモードが活躍しそうなシーンを以下に3つ挙げます。
1、インターネット接続が制限される環境
出張や移動中の新幹線・飛行機内など、インターネット接続が不安定または利用できない場所や、セキュリティ上の理由で外部ネットワークへの接続が制限されている施設内などでも使用できます。
2、通信が不安定な環境
オフィスや自宅のネットワークが一時的にダウンした場合でも、作業を中断することなく継続できます。
通信状態が不安定な時は、オフラインモードに切り替えて使用するのもアリだと思います。
3、起動時のログイン省略による利便性向上
毎回の起動時に3DEXPERIENCEへのログインを省略できるため、SOLIDWORKSを起動する際の手間が減り、すぐに作業に取り掛かることができます。
オフラインモードを効果的に活用することで、作業の中断を最小限に抑え、設計効率を高めることができます。
まとめ
本記事では、SOLIDWORKS Connectedのオフラインモードについて解説しました。
オフラインモードを活用することで、インターネットに接続できない環境でも、安心して作業を続けることができます。
最大30日間という有効期限と、クラウド機能が停止するという制限がありますが、オフラインモードを効果的に活用することで、作業の中断を最小限に抑え、設計効率を高めることができます。
ぜひ、上記の設定方法を参考に、オフライン環境でも心おきなくSOLIDWORKS Connectedを活用してみてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。













オフラインモードは個人向けのSOLIDWORKS for Makersでも利用可能ですので、ご参考にしてください。