【エラーが出たらコレを試そう】トラブル対応時に活躍するおすすめコマンド3選

SOLIDWORKSでモデル編集中にエラーが出ることがあるかと思います。

  • フィーチャーが失敗した
  • スケッチが赤くなった
  • なんだかモデルの形がおかしい

SOLIDWORKSを使っていると、誰もが一度はエラーに遭遇しますよね。

そんな時、「どこから直せばいいの?」と途方に暮れてしまうかもしれません。

エラーを放置したり、場当たり的に修正したりすると、後で大きな手戻りが発生してしまいます。

実は、SOLIDWORKSには、エラーの原因を特定し、安全かつ確実に修正するためのツールが用意されています。

本記事では、経験豊富な上級者が必ず活用する、エラー解決に必須の3つのコマンドを、初心者の方にも分かりやすいように丁寧に解説します。

この3つのワザをマスターすれば、もうエラーを恐れる必要はありません。

エラーにびくびくしているSOLIDWORKS初心者の方は、ぜひご一読ください。

 

【エラー時に最初に試したい】最強コマンド「強制再構築(Ctrl + Q)」

エラーが出たときには、まずは強制再構築を試してみましょう。

強制再構築は「Ctrl + Q」で実行できます。 

強制再構築をどんな時に使えばいい?
  • 寸法や合致を変えたのに、モデルの形や位置が変わらないとき。
  • 以前開いたときは大丈夫だったのに、突然エラーになったとき。
  • 特に変な操作をしていないのに、エラーが出るとき。

 

SOLIDWORKSは、モデルの変更があった部分だけを計算し直すことで、作業を速くしています。

しかし、この仕組みのせいで、ごくまれに「内部的な計算のズレ(不整合)」が生じることがあります。

通常の再構築(信号機アイコン)では直らない、この計算のズレを強制的に解消するのが「強制再構築」です。

強制再構築では、全てのフィーチャーを最初から計算し直すため、内部的な計算のズレを修正することができます。

sugitama

複雑なモデルのときに、強制再構築でエラーを解消できるケースは結構あります。

 

項目通常の再構築(信号機アイコン)強制再構築(Ctrl + Q)
計算範囲変更があった部分のみすべてのフィーチャーを最初から
効果軽微な変更の反映計算の不整合を強力にリセット
操作信号機アイコンをクリックCtrl キーを押しながら Q キーを押す

強制再構築は強力ですが、モデル全体を計算し直すため、複雑なモデルでは処理に時間がかかります。まずは通常の再構築を試して、それでも直らない場合の「最後の切り札」として使うのがおすすめです。

 

また、コンフィギュレーションが複数ある場合は、全コンフィギュレーション強制再構築(Ctrl+Shift+Q)という超最強再構築コマンドもあります。

 

【スケッチのエラー特定に】拘束リストを表示「幾何拘束の表示/削除」

スケッチのエラーでが出たときには、幾何拘束の表示/削除のコマンドを試してみましょう。

対象のスケッチに対して、スケッチ編集モードに入り、「幾何拘束の表示/削除」を選択します。

 

スケッチ内で使用されている幾何拘束・寸法拘束がすべて一覧で表示されます。 

 

幾何拘束の表示/削除をどんな時に使えばいい?
  • スケッチが赤色や黄色の表示になっているとき。
  • スケッチでどこがエラーなのかわからないとき。
  • スケッチの線を動かしたいが、完全定義されて動かせないとき

 

スケッチが赤くなるのは、「寸法や拘束が多すぎて、矛盾している」状態です。

しかし、どの拘束が原因なのか、一見するだけではわかりません。

幾何拘束の表示/削除」コマンドを使うと、スケッチ内のすべての拘束アイコンを一括で表示できます。

これにより、隠れていた拘束や、意図せず付けてしまった冗長な拘束を簡単に見つけ出し、削除することができます。

 

sugitama

スケッチは必ず「完全定義(黒色)」にすることが、エラーのない安定したモデルを作るための基本です。このツールを使って、スケッチをクリーンな状態に保ちましょう。

 

【フィーチャーのエラー特定に】過去に戻る「ロールバックバー」

SOLIDWORKSのモデルは、フィーチャーを積み重ねていく「履歴」でできています。

エラーが発生すると、その後のフィーチャーも連鎖的に失敗することがよくあります。

FeatureManagerデザインツリーの一番下にある「ロールバックバー」(青色のバー)をドラッグすると、モデルを一時的に「過去のある時点」に戻すことができます。

ロールバックバーにより、フィーチャーをさかのぼることができます。

ロールバックバーをどんな時に使えばいい?
  • フィーチャーに黄色や赤の警告が発生したが、どのフィーチャーの変更が原因か分からないとき。
  • モデルの途中のフィーチャーを編集したいが、後続のフィーチャーが壊れるのが怖いとき。
  • モデルの作成手順を確認したいとき。

 

ロールバックバーを活用したデバッグには、以下の2つのメリットがあります。

  1. エラーの隔離: エラーが発生したフィーチャーの直前までバーを戻します。これにより、エラーの原因となっているフィーチャーだけを単独で隔離し、他のフィーチャーに影響を与えずに安全に修正作業を行うことができます。
  2. 安全な編集: モデルの途中のフィーチャーを編集したい場合、バーをそのフィーチャーの直後に戻してから編集すれば、編集後に後続のフィーチャーが壊れていないか、すぐに確認しながら作業を進められます。

 

sugitama

ロールバックバーは、モデルの「タイムマシン」のようなものです。

エラーが発生したら、まず過去に戻って原因を特定し、修正してから未来(現在の状態)に戻る、という手順でデバッグするのが一番確実で簡単です。

まとめ

本記事では、エラーのときに試したい、エラー解決のためのコマンドについて解説しました。

今回ご紹介した3つのコマンドは、SOLIDWORKSのデバッグと編集の効率を格段に向上させる、上級者必須のテクニックです。

 

コマンド解決できる問題
強制再構築(Ctrl + Q)モデルの不整合、表示の乱れ
幾何拘束の表示/削除スケッチの過剰定義
ロールバックバーフィーチャーの失敗、複雑な編集

 

これらのコマンドを使いこなせば、エラーを乗り越えて、安定した質の高いモデリングができるようになります。

次のトラブルに遭遇した際は、ぜひこの3つのコマンドを試してみてください!

sugitama

エラーが起きても、自分で何とかできるようになれば、エラーに縛られず、自由に編集できるようになります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。