「客先で、3Dモデルを見せながら打ち合わせがしたい」
「出張先のホテルや、気分の乗ったカフェで図面を引きたい」
そんな「場所にとらわれない働き方」を実現してくれるのが、ノートPC型の「モバイルワークステーション」です。
最近のノートPCは非常に高性能になり、一昔前なら「重くて動かない」と言われていた3DCADも、スタバで涼しい顔をして操作できる時代になりました。
しかし、ここで一つ重大な注意点があります。
「カタログのスペック数値が同じなら、デスクトップと同じ性能だ」と思って買うと、100%後悔します。
この記事では、デスクトップ編とは少し違う「モバイルワークステーション特有の選び方」と、持ち運びに特化したおすすめモデルを紹介します。
外でもバリバリ設計できる、最強のサブ機(あるいはメイン機)を見つけましょう。
もくじ
「i7」の名前を信じるな?モバイル版の残酷な真実
最初に、絶対に知っておいてほしい「不都合な真実」をお伝えします。
それは、「ノートPCのパーツは、デスクトップ用と名前が同じでも別物である」ということです。
「70%の法則」を覚えておく
例えば、デスクトップの「Core i7」と、ノートPCの「Core i7」。
名前は同じですが、処理能力は全く違います。
- デスクトップ: 電気を大量に使い、巨大なファンで冷やすので、100%の力を出せる。
- ノートPC: 電池持ちを気にし、小さなファンで冷やすため、あえて性能を抑えている(約70%程度)。
グラフィックボード(GPU)も同様です。
ですので、デスクトップと同じ感覚でギリギリのスペックを選ぶと、「あれ? 思ったより遅いぞ……」という事態になります。
モバイルを選ぶときは、気持ち「ワンランク上」を狙うといいでしょう。
「携帯性」と「持続性」はトレードオフ
「軽くて薄いPCがいい!」と誰もが思いますが、SOLIDWORKSのような重い処理をさせると、薄型PCはすぐに熱くなります。
するとPCは「これ以上熱くなると壊れる!」と判断し、強制的に処理速度を落とします(サーマルスロットリング)。
- 薄型・軽量モデル: 持ち運びは楽だが、長時間ガッツリ設計するには不向き。
- 厚型・重量モデル: 重いが、冷却性能が高く、長時間でも安定して動く。
「携帯性(軽さ)」を取るか、「持続性(冷却能力)」を取るか。ここがモバイルワークステーション選びの最大の分かれ道になります。
「軽さ」か「画面の広さ」か。運命を分けるサイズ選び
モバイルワークステーションを選ぶ際、CPUの性能以上に重要なのが「画面サイズ(インチ数)」です。
ここは「持ち運びの頻度」と「何をするか」で明確に分かれます。
【14インチ】 毎日持ち歩く「営業・プレゼン」派
重量: 約1.3kg 〜 1.5kg
特徴:カバンにすっぽり入り、女性でも片手で持てます。
メリット: とにかく軽い。客先でサッと取り出して画面を見せるのに最適。
デメリット: 画面が狭く、テンキー(数字キー)がないモデルがほとんどです。寸法入力が多い設計作業には、別途外付けテンキーが必要になり、少し不便です。
こんな人に:
「基本はビューワー(閲覧)として使いたい」
「客先での打ち合わせが多い」
【16インチ】 どこでも設計する「ガッツリ作業」派
重量: 約1.8kg 〜 2.5kg
特徴:画面が広く、図面の全体像が見やすいです。
メリット: テンキーが付いているので、デスクトップと同じ感覚で寸法入力ができます。
デメリット: 重いです。毎日電車通勤で持ち運ぶには、それなりの覚悟(と丈夫なリュック)が必要です。
こんな人に:
「出張先のホテルでガッツリ図面を引きたい」
「フリーアドレスで、社内の好きな場所で作業したい」
用途別・おすすめモバイルワークステーション3選
2026年現在のおすすめモデルを「携帯性重視」と「作業性重視」に分けて紹介します。
【携帯性No.1】 Lenovo ThinkPad P14s Gen 5
「軽さは正義。カバンに入れていることを忘れる一台」
- タイプ: 14インチ・軽量モデル
- 想定用途: プレゼン、閲覧、軽微な修正
- 推しポイント:
- ワークステーションでありながら、一般的なビジネスノートPCと同じくらいの軽さ・薄さを実現しています。
- 「GeForce」ではなく、しっかり「NVIDIA RTX 500 Ada」などのCAD用GPUを積んでいるため、SOLIDWORKSの動作も安定しています。
- ThinkPad特有の「赤ポチ(トラックポイント)」があれば、マウスが出せない狭いカフェのテーブルでも画面操作が可能です。


ご自身の扱うモデルや、やりたい処理などに応じて、過不足のないように構成をカスタマイズしてみてください。
ご自身が扱うモデル規模から必要なスペックを知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。
まとめ
本記事では、SOLIDWORKSでのノマドワークをするための、モバイルワークステーションの選び方やオススメのマシンについてご紹介しました。
実際に、SOLIDWORKSを持ち運ぶ手順については、こちらの記事をご覧ください。
SOLIDWORKSでもノマドワークしたい方がモバイルワークステーションを使って、場所に縛られない働き方を獲得して頂けたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。








