ついに、SOLIDWORKSにも本格的なAIがやってきました。その名は「AURA(オーラ)」。
SOLIDWORKS 2026のニュースを見て、
「ついにAIがモデリングや図面作成をしてくれる時代が来たか?」
「個人のMaker版でも無料で使えるのかな?」
と期待に胸を膨らませる方も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
本記事では、私が実際にAURAを使ってみた「リアルな感想」をお届けします。
さらに、専門誌『日経ものづくり』の特集記事や、先日開催されたイベント『3DEXPERIENCE World 2026』でのニュースを交えながら、すぐそこまで来ている「自動設計の未来」についても解説していきます。
企業にお勤めのプロ設計者の方にとっても、Maker版でモノづくりを楽しむ個人ユーザーの方にとっても、決して見逃せない「頼れる助手」の最新情報です。
AIと一緒に設計する新時代へ、一足先にアクセスしてみましょう!
【サクッと確認】あなたの環境でAURAは使える?
本題の前に、「そもそも自分のライセンスでAI機能が使えるの?」という疑問にお答えしておきます。AURAはクラウド基盤(3DEXPERIENCE)上で動くため、使える人・使えない人がいます。
SOLIDWORKS Desktop(従来のデスクトップ版)
≫【条件付きで使えます】 最新の「Cloud Services」が含まれる保守契約中であれば利用可能です。
※古いバージョンを完全オフラインの永久ライセンスで使っている場合は利用できません。
3DEXPERIENCE SOLIDWORKS(企業向けクラウド版)
≫【使えます】 追加料金なしの標準機能として利用可能です。
SOLIDWORKS for Makers(Maker版)
≫【使えます】 追加料金なしの標準機能として利用可能です。
もくじ
【実践編】ベータ版AURAの使い方
まずは、一番気になる「どうやって使うの?」という疑問から解決していきましょう。
実は私自身、最初にAURAを使おうとした時、完全に迷子になりました。
実録 筆者のAURA探しの旅
「さあ、AURAを呼び出すぞ!」と意気込んで、SOLIDWORKSを立ち上げましたが、果たしてどこにAURAがいるのかわかりませんでした。
ネット検索やAIに聞いてみると、右側のタスクパネル内にいそうだということがわかり、全てのタブを見ましたが、どこにもいませんでした。

「あれ? タブの表示設定がオフになっているのかな?」と思い、右クリックしてカスタマイズ画面を開いても、それらしき項目は見つかりません。

「もしかしてアドインが無効になっている?」と設定を確認してもダメ。

焦って右上の「コマンド検索」に「AURA」や「Assistant」と打ち込んでみても、「該当する結果が見つかりませんでした」と無情なメッセージが出るばかり……。

「私のMaker版では使えないのかも、、、」と諦めかけたその時、意外な場所で彼女を発見しました。
発見! AURAは「3DSwym」の中にいた
AURAは、独立したコマンドアイコンではなく、タスクパネルの中にある「3DSwym(コミュニティ)」アプリの中の奥まったところに隠れていました。

現在、私たちがアクセスできるAURAは「ベータ版(Beta)」としての提供となっています。
3DSwymのチャットボットとしてサポートしてくれます。
今のAURAでできること
無事に見つけたこのベータ版AURA。現在できるのは、モデリングの自動化ではなく、「情報検索」と「問題解決のサポート」です。
私が実際に使ってみて便利だと感じた機能を3つご紹介します。
① 日本語での質問応答と操作ガイド
「前のバージョンとして保存するにはどうするの?」といった操作の疑問をチャットで投げかけると、公式のヘルプドキュメントを元に、分かりやすい日本語で手順を教えてくれます。
② エラーの原因診断と解決策のヒント
これが一番のおすすめです!
フィーチャーに黄色い警告(!)や赤いエラー(×)が出た時、その箇所を選択した状態でAURAに「なぜエラーになってるの?」と聞いてみてください。
「隣接する面に対してフィレットの半径が大きすぎます」など、具体的な原因と直すためのヒントを教えてくれます。
③ 世界中のコミュニティ情報の要約
3DSwymには世界中のユーザーの知識(英語の投稿など)が膨大に眠っています。
AURAに調べ物をお願いすると、それらの長文スレッドを読み込み、「要するにこういう解決策がベストアンサーです」と日本語で瞬時に要約してくれます。
【未来予想編①】『日経ものづくり』が報じた「本気の自動設計」

現在のAURAは、調べ物やエラー解決を手伝ってくれる「知識に特化した助手」です。
しかし、ダッソー・システムズが思い描く「本気のAI」はこんなものではありません。
専門誌『日経ものづくり(2026年1月号)』の特集記事を読み解くと、現在ダッソー・システムズが「CATIA」で開発を進めている自動設計システムの全貌が見えてきました。
近い将来、私たちのSOLIDWORKS(3DEXPERIENCEプラットフォーム)にも降りてくるであろう、その機能をご紹介します。
チャットで指示するだけで「自動モデリング」
未来のAURAは、設計者の「総合窓口(ポータルAI)」として機能します。
例えば、自動車の部品(ヘッドランプのハウジングなど)を設計するとします。
設計者はAURAのチャット画面に向かって、「こんな部品を作りたい。材料はこれ、サイズはこのくらいで、これくらいの強度を持たせて」と要件を伝えるだけ。
すると、窓口であるAURAが裏側にいる機械設計や電機設計の専用AIたちに指示を出し、企業が蓄積した「設計テンプレート」をベースにして、新しい3D形状を自動で作り出してくれます。
人間は要件を定義するだけで、手を動かしてモデリングするのはAIの仕事になります。
法規制や干渉チェックまでAIがこなす
このシステムのポイントは、ただ形を作るだけでなく、「法規制」や「安全性」「製造時の制約」についてもAIが把握している点です。
設計中の3DモデルをAIが解析し、「この形状だと他の部品と干渉しますよ」「この肉厚だと強度が足りません」「指定された法規制をクリアしていません」といった制約をチェックしながら設計を進めてくれます。
【プロ向け考察】立ちはだかる「データの壁」
ここで、企業にお勤めのプロ設計者の方にとって、少しシビアな課題にも触れておきましょう。
この夢のような自動設計を実現するためには、AIが基準とする「テンプレート」が必要です。
標準的な構造や、企業独自のノウハウをAIに学習させなければなりません。
『日経ものづくり』の記事でも触れられていますが、「企業の設計ノウハウをどうやってAIに学習させるか」「学習させたデータや、AIが作った設計の権利は誰のものか」というデータの取り扱いが、実用化に向けた最大の壁になりそうです。
AIが優秀になればなるほど、企業側には「AIに食べさせるための、綺麗でルールの整った3Dデータ(過去の設計資産)」を準備する力が求められるようになります。

『日経ものづくり』の記事内では、この自動設計システムのリリースについて「2年後(2027年頃)をめどに提供したい」と語られていました。
【未来予想編②】2年後リリース!? 新たな助手「LEO」と「MARIE」

さらには、つい先日(2026年2月上旬)開催されたばかりの世界的なユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2026」にて、最新の発表がありました。
なんと、今後のSOLIDWORKS(3DEXPERIENCE)を支えるAIは、AURA単体ではなく「3人のAIチーム(Virtual Companions)」になるとのことです。
それぞれの担当とリリース時期を見てみましょう。
- AURA(オーラ) 【知識と文脈担当】
プロジェクト全体の文脈を管理し、知識を教えてくれる総合窓口。
👉 【すでに利用可能】今回 3DSwymで発見した彼女です。 - LEO(レオ) 【形状作成・シミュレーション担当】
エンジニアリングの推論を行い、実際にアセンブリ構造を作ったり、物理的なシミュレーションを行う「手を動かす」担当。
👉 【2026年内に提供開始予定】 - MARIE(マリー) 【材料・法規制担当】
材料の化学的性質や、法規制のコンプライアンス(法令順守)を厳密にチェックする担当。
👉 【2026年内に提供開始予定】

「アイアンマン」とか「ベイマックス」とかの映画で見た「AIが形状を設計する」世界になっていくかもしれませんね。
まとめ:AI助手と働く新時代へ
今回は、SOLIDWORKSの最新AI「AURA」の実践的な使い方と、最新ニュースから読み解く「すぐそこにある自動設計の未来」について解説してきました。
AIという優秀で頼れる助手と協働することで、私たちの設計業務は格段に変わりそうです。
■ Maker版を楽しむ個人ユーザーの方へ
まずは今日から、3DSwymにいるAURAにたくさん質問してみてください。AIと一緒にモノづくりをする感覚に慣れておくと、LEOやMARIEがやってきた時に、ものづくりをより一層楽しめるのではないかと思います。
■ 企業に勤めるプロ設計者の方へ
AIが自動で形を作る時代になっても、それを導くための「良質なデータ」を用意するのは人間の仕事です。 来たるべき日に備えて、AIが学習しやすいように「フィーチャーの履歴をきれいに保つ」「設計意図(なぜこの寸法にしたのか)を明確にしておく」といった、基本に忠実なモデリングを日頃から心がけることが、次世代の設計者への第一歩になるかもしれません。
もうすでに使える「AURA」に加え、今後リリースされる「LEO」、「MARIE」のAIたちと一緒に進める新しい設計のかたち。
変化を恐れず、このワクワクする波にみんなで乗っていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。












今の段階でも、独学で学ぶMakers版ユーザーや、調べる時間を短縮したいプロ設計者にとって、AURAは頼れる助手になると思います。